私が姫路へやって来たのは、もう4年も前の春になります。
ギター2本とダンボール3個。
私が仙台から持ってきたものは、たったのそれだけでした。

咳が止まらずに眠れない日、酒を飲まないと眠れない日、止まない耳鳴り、頭痛、生まれて初めてきりきりと痛む胃。
頼れる人の居ない土地、縋る人を間違えたり、悪意に晒されたり、歌うことすら出来ないほど、心身ともに、酷く苦しかった日々もありました。

そんな中でこそ、生まれた楽曲もあります。

世界に、自分に絶望した日。
初めて自分を愛せた日。
それを教えてくれた人。
歩んできたその全てが、間違いではないと思えた日。
このままここに居ても何も生まれないとわかっているのに、その場を去ることが出来ない時。

心も体も揺れる日々の中で、
背伸びをせずに形にすること。
先に痛くなった人間に出来ることは、それくらいしかないと、かつて暗いだけの音楽に救ってもらった自分だからわかること。そしてできること。

やっぱり私に出来るのは、歌うことしかないから。

4年間の、もっと言えば24年間の、私の人生を8曲、38分程度のアルバムに詰め込みました。

どうか少しでも、貴方のお役に立てますように。